英語コンシェルジュへようこそ!

こんにちは、英語コンシェルジュの鈴木です。

今回から私の読んだ海外の本や記事から内容を皆さんへご紹介させていただきます。

本日のテーマはこちらです。

 

こどもの数が少なくなったら、どうなるのか? 

(What happens when we have fewer children?)

       出典:Number Don’t Lie (数字は嘘をつかない)作者:Vaclav Smil 

 

日本の課題である人口減少問題ですが、世界の国々ではどのような状況だと思いますか?

結論から言うと、アフリカ・南アジア以外の地域の国の多くは、同様の問題を抱えており、今後、社会、経済、国力の低下など世界のパワーバランスに大きな変化が訪れると予想されます。

 

まずは日本の現状です。高齢化や人口減少のニュースをテレビやネットで見た時に、『出生率』という言葉を目にしたことがあると思います。出生率合計特殊出生率)とは、1人の女性が生涯に産む子供の数です。例えば、2020年の出生率は1.34人で、生まれた子供の数(出生数)は過去最少の84万832人で毎年減少が続いています。それにより、総人口は現在約1億2700万人から、2050年には9500万人程に減少すると推定されています。

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一方世界に目を向けてみますと、サハラ砂漠より南のアフリカの地域では、多くの国で出生率は、5~6人(ナイジェリアは7.5人)、アジアでは、特に東アジアの中国や韓国は1970年代から出生率は減少し続けて、現在は1.5人を下回る状態です。ヨーロッパでは、出生率は国によって差はありますが、2人を切っています。(2019年、フランスとスウェーデンは1.8人、特に低いのは、スペイン、イタリア、ルーマニアは1.3人)

 

このような状況が世界規模で起これば、人口や人口構成、国の戦略に大きな影響が及ぶと思われます。現状は、ヨーロッパの重要性が低くなり【ヨーロッパ大陸の人口は世界人口の19%(1900年)だったのが、現在は9.5%(2020年)】、中国・インドなどアジアの重要性が増しています【世界の人口の60%がアジアで暮らしている】。

一方出生率に目を向けると、2020年~70年までの50年間では、全世界の子供の75%近くが、アフリカで生まれることになるだろうと、作者は本の中で述べています。

 

参考記事:世界の出生率、驚異的な低下 23カ国で今世紀末までに人口半減=米大学予測 - BBCニュース

 

現在、人口のパワーバランスはヨーロッパからアジアへ移行して、政治的にはアメリカと中国の対立が焦点となっています。そのさらに先には、アフリカの台頭、現在の日本の様な世界的な高齢化が予想されてます。この課題は、環境問題と同様にそれぞれの国が解決する課題ではなく、世界全体で解決する課題になりつつあると思いました。
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